鋳物ブログ
グランドマンホールA-0001-1995(下水道用マンホールふた)
1.適用範囲
この規格は、下水道に使用する球状黒鉛鋳鉄製グラウンドマンホールφ600(以下GMという)について規定する。
2.種類
GMの種類は、表-1のとおりとする。
種類 | 記号 | 主な使用場所 |
---|---|---|
1種 | T-25 | 道路一般 |
2種 | T-14 | 歩道又は大型車の交通の少ない車道 |
3.製造方法
3-1 概観
GMは、有害な傷がなく、概観が良くなければならない。
3-2 過重強さ
GMは、8.に規定する荷重試験を行った場合、表-2に示す基準値を満足しなければならない。
種類 | 記号 | 集中荷重(Kn) | たわみ(mm) | 残留たわみ(mm) | 破壊荷重(Kn) |
---|---|---|---|---|---|
1種 | T-25 | 210 | 2.2以下 | 0.1以下 | 700以上 |
2種 | T-14 | 120 | 400以上 |
4.構造・機能
4-1 がたつき防止
GMは、カバー(ふた)とフレーム(枠)(以下カバー、フレームという)との接触面を機械加工し、急勾配受けとし、カバーのがたつきを防止できる構造でなければならない。
4-2 カバーの逸脱防止
GMは、カバーの逸脱防止の為、カバーとフレームとをちょう番、鎖等にて連結した構造でなければならない。
5.形状、寸法
GMの形状、寸法は図1のとおりとする。許容差については、JIS B 0403(寸法交差方法方式及び削り代方式)の並級以上とする。
6.材質
GMのカバー及びフレームの材質はJIS G5502に規定する球状黒鉛鋳鉄品と同等以上とし、8.に規定する試験を行った場合、表-3の基準値を満足しなければならない。
材質 | 引張強さ(N/mm2) | 伸び(%) | 硬さ(HB) | 黒鉛球状化率(%) | |
---|---|---|---|---|---|
カバー | FCD700 | 700以上 | 5~12 | 235以上 | 80以上 |
フレーム | FCD600 | 600以上 | 8~15 | 210以上 | 80以上 |
7.塗装
GMの塗装は、内外面を清掃した後、乾燥が速やかで、密着性に富み、防食性及び対抗性に優れた塗料で塗装しなければならない。
8.試験方法
8-1 材質試験
JIS G 5502に規定された供試材を予備を含め3個鋳造し、その内1個の供資材を、、引張り・硬さの試験片に仕上げたものにより試験する。
8.1.1 引張り・伸び試験
供試材よりJIS Z 2201の4号試験片に仕上げたものをJIS Z 2241の金属材料引張試験方法に基づき、引張強さと伸びの測定を行なう。
8.1.2 硬さ試験
供試材より作成した試験片を、JIS Z 2243のブリネル硬さ試験方法に基づき硬さの測定を行なう。
8.1.3 黒鉛球状化率判定試験
GMのカバー裏面中央のリブ又は指定箇所及びフレーム上面良く研磨し、JIS G 5502の10.7黒鉛球状化率判定試験に準じて黒鉛球状化率を判定する。
8-2 荷重試験
GMは図2に示す試験方法により荷重試験を行なう。
GMのカバーの中央に厚さ6mmのゴム板を敷き、その上に長さ200mm、幅500mm、厚さ50mmの載荷板を置き、この箇所に集中荷重を加圧して、カバー、フレームの勾配面喰込現象を保持させ除荷重後、正式に行なう。荷重試験は、上記の状態を保持したまま、この箇所に集中荷重を60秒間加圧し、この加圧時間中におけるカバーの中心のたわみ及び荷重を取り去った時の残留たわみを測定する。
8-3 破壊試験
8-2と同様の方法で破壊荷重について測定を行なう
9.検査
9-1 検査項目
検査は、外観、形状、寸法、構造・機能及び材質、荷重、破壊試験について行なう。
9-2 外観、形状、寸法、構造・機能
外観、形状、寸法及び構造・機能の検査については、50個又はその端数を一組として各組ごとに任意に1個を抜き取って検査を行ない、3-1及び4.及び5.の規定に適合すれば、その組全部を合格とする。
9-3 材質試験
JIS G 5502に規定する試験方法(連続生産の場合2時間溶解量を1バッチとする)により行ない、表3の基準値に適合したものを合格とする。
また、製品の黒鉛球状化率試験については、9-4の荷重試験を行なった製品について行い、表3の基準値に適合したものを合格とする。
9-4 荷重試験
荷重試験は、1カ月生産数を1ロットとし、そのうち1個について8-2の荷重試験を行ない、3.2の規定に適合したものをその組全部を合格とする。
9-5 破壊試験
破壊試験は、1カ年生産分を1ロットとし、そのうち1個について8-3の破壊試験を行ない、3-2の規定に適合したものを合格とする。
9-6 再検査
9-2~9-5の検査で不合格となった場合は、再検査を行なうことが出来る。再検査は、その組の残りの中から2個を抜き取って行ない、2個とも合格すれば、不合格分を除いたその組全部を合格とする。
なお、1個でも合格しない場合は、その組の残り全数の検査を行ない、個々の合否を判定する。
10.表示
GMのカバーの裏面に容易に消えない方法で、次の事項を明示しなければならない。
(1)種類の記号
(2)材質記号
(3)製造業者名又はその略号
(4)製造年(西暦下二桁)
図1 グランドマンホール |
図2 静過重試験装置 |