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鋳物ブログ

鋳造作業法

第2章 鋳型の分類

鋳物は鋳型の材料による分類される。

第1節 鋳型の材料による分類

鋳型 砂型 生型(1)
焙り型(半乾燥型(2))
乾燥型(3)
焼型(5)(真土型)
惣型(4)(ロームー型)
金型 ダイカスト用型
チルド用型
その他金型
特殊型 インベストメント法
シエルモールド法
CO2プロセス法
ショープロセス法
エヤーセッティング法
石膏鋳型
セメント鋳型
石鋳型
精密鋳物

第2節 造型法による分類

造形法 流し吹き法(6)(開放型)
枠込め法(7)(鋳枠込型)
床込め法(8)(土間型)
Fig1流し吹き法
Fig2枠込め法
Fig3土間込め法

第3節 木型の種類による分類

木型 外型 現型 丸型
割型
払込み型
分割型
部分型
骨型
引き型
掻き型
掠り型
組合せ型
中子型 現型 彫り中子
箱中子
込めつけ中子
寄せ中子
部分型
骨型
肉張り
掻き型
引き型
引き中子
掠り型
組合せ型
Fig4丸型
Fig5割型
Fig6払込み型
払込みの部分
Fig7分割型
Fig8部分型
Fig9骨型
Fig10引き型
Fig11掻き型
Fig12掠り型
Fig13組合せ型
Fig14彫り中子
Fig15箱中子
Fig16込めつけ中子
Fig17寄せ中子
Fig18部分型(中子用)
Fig19骨張り(中子用)
Fig20肉張り
Fig21掻き型(中子用)
Fig22引き型(中子用)
Fig23引き中子
Fig24張り型(中子用)
Fig25組合せ型(中子用)

[註]

  1. 生型は鋳物砂中に水分(10~5%)程度含んだ鋳物砂にて鋳型を作り、これに注湯する鋳型で、生型は一般に簡便で、小物の鋳物を多く造るに適する。
  2. 半乾燥型、一名焙型とも称し、生型に造型し鋳型の表面をバーナー等であぶり鋳型の水分を少なくした状態で注湯する。比較的肉厚物や乾燥炉で乾燥する程の必要なく且つ生型では不良のできる目算の多いと思われるものに用いる。
  3. 乾燥型は水分の含んだ鋳物砂で鋳型を造り、乾燥炉内で鋳型をよく乾燥して水分を除去した鋳型の状態で注湯する型で、複雑な形状、中子の多い鋳物、大型の鋳物を作るに使用される。
  4. 惣型(ローム型)は主としてひき型等に用いられ、真土と称する鋳物砂中に粘土水(はじろ)を混入した泥状の真土で整型し、鋳型を乾燥し且つ鋳型の内面すなわち鋳肌に接する鋳型面を赤熱し、鋳型の冷却後型合わせを行い、注湯する。
  5. 焼き型は複雑なる鋳型を造るときに主として用いられ、銅像等を作るに用いられる鋳型である。真土、紙土等を用いて複雑でかつ精密な鋳肌の鋳物を作るに適する。鋳型は赤熱に丸焼きされ鋳型が未だ相当高温の状態で注湯する。
  6. 流し吹き法は一名開放型ともいい、鋳物場の土間の砂を水平にかきならし、それに直接木型を埋め込むが、型を押し当てて取り出し、鋳型として注湯する。上型がなく、開け放しであるので鋳型造りは簡単であるが、ロストル、芯金、金枠等の粗雑なものを造る外は利用されない。
  7. 枠込め法は一般に用いられる方法で、鋳型は枠(金枠、木枠)によって砂をくずさず、鋳型の持ち運びができるし、注湯の際の圧力に対して丈夫であり、上枠、下枠の締付金具を用いれば、重錘を置く必要をなくすことができる。
  8. 床込め法は土間込め法ともいい、下型の込付の比較的容易なもので、かつ中物程度の鋳物を作るに用いる。下枠を用いず鋳物場の土間を利用して下型を造りその上に枠込めの上型をのせる。

第4節 各種鋳型の選択

1.砂型鋳造法

  1. 生型による鋳物
    量産の場合に適する
  2. あぶり型による鋳物
    肉厚物に適する
  3. 乾燥型による鋳物
    機械部品本体の大物、中の複雑な鋳物を作るに用いる
  4. 焼型鋳物(真土型)
    銅像、美術鋳物の工芸品
  5. 混惣型(あいぞう)による鋳物
    大型、美術銅像等に用いる
  6. 惣型による鋳物(ローム型)
    梵鐘、釜、鉄瓶、天水桶、風呂釜

2.金属鋳造法

  1. ダイカストによる鋳物
    カメラ本体、自転車バイク部品
  2. チルド鋳物
    チルドロール、チルド車輪

3.特殊鋳造法

  1. イベンストメント法による鋳物
    仏像、置物等の精密鋳物
  2. シェルモールド法による鋳物
    美肌の鋳物
  3. CO2プロセス法による鋳物
    中子に用いる
  4. ショープロセス法による鋳物
    繊細な各種金型、精密鋳物の複製
  5. その他エヤーセッティング法
    石膏鋳型による精密鋳物
    セメント鋳型。石鋳型等あり

第5節 各種鋳型の各部の名称および機能

1上型
2下型
3上枠
4下枠
5中子
6肌砂
7込砂
8湯口
9湯道
10見切線
11締付金具
12製品
13ガス抜穴
14中子ガス抜穴
15はばき(巾木)
16掛せき
17押湯
18上り(揚り)
19せき
20手持ち(天狗)
Fig26鋳型各部の名称
A受口
B湯口
C湯口底
D湯道
Eせき
F湯道先
G揚り
Hガス抜
I押湯
Fig27鋳込品各部の名称

鋳型の構造は製品の形状、大きさによって違うが、枠込め法による場合の鋳型各部の名称はFig26のとおりであり、鋳造された各部の名称はFig27のとおりである。
掛セキは湯溜りともいい、取鍋から出た溶湯が一たんここに溜まってから湯口の方へ流れ込むところである。一般に砂型でつくられる。
湯口は注入させた溶湯が垂直又は傾斜して流れる部分をいい、一般に溶湯が流れ易いように円形の断面をとることが多い。
湯道は湯口から入ってくる溶湯の速さを低下させて製品に入るため適当な流れに変える部分で一般に水平になっている。断面は普通半円形が多いが、大物ではやはり耐火煉瓦を用いる。この場合は円形の断面となる。
セキは溶湯が製品に入る直前に当る部分をいう。断面は円形、半円形、四角形、三角形等色々である。
押湯は製品となる金属の収縮した部分の補給に役立つ。
揚りは収縮の少ない鋳鉄等に用いられ注湯の終わったとき型の中の溶湯に圧力を加えるために役立つ。
ガス抜き穴は型の中に溶湯がおしこまれると、その溶湯が発生するガスや型から発生するガスを追い込むので、このガスを外部に出してやるために役立つ。